2007年9月18日 (火)

電気ポット

「In the Light of Day」 Rigmor Gustafsson

10年ぐらい使っている電気ポットをそろそろ買い換えようかと。
さすがに10年前のものと今のものとでは、機能もデザインもずいぶん変わっていて、
10年という月日は物事の面影を消し去るには十分な時間なのだと思い知らされました。
そしたらどういうわけか今使っている電気ポットくんが急に不憫に思えてきたので、
今後もきれいに掃除して使い続けることに決めました。

ところで今から10年前の1997年という年は、
米米CLUBが惜しまれつつも解散した年であり、
ダイアナ妃がパリで事故死した年でもあります。
ドラマ「ビーチボーイズ」で広末涼子が爽やかな笑顔をふりまいていたかと思えば、
不倫を題材にした「失楽園」が流行語大賞に選ばれたりもしていた年でした。
なんにしても10年もあれば、小学校にあがったばかりの子供が高校生になれちゃうんだから、なんだか不思議ですね。

そんな97年に遠くスウェーデンでは、
こんなにも素敵な音楽が発売されていました。
ジャズシンガー、リグモア・グスタフソン。
この人はかなり実力のあるシンガーで、妹さんもシンガーです。
アメリカ人で言ったら、カーリン・アリソンに少し似てるかもしれない。
でも彼女よりいくぶん淡白で、北欧らしいあっさりした白身魚のようです。
ピアノのティノ・デラードがかなりセンスのいいバッキングをしていて、
非常に気持ちいいです。

こういう宝石のような音楽を聴いていると、
やっぱり人間に生まれてよかったと思えなくもない。
少なくとも電気ポットじゃなくてよかった。
どう見ても彼らには耳なんてついてないわけだし。


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2007年9月 5日 (水)

渋。

「Bossa Nova Soul Samba」 Ike Quebec


心霊写真ではありません。
これは今から40年以上前、
黒人のサックス奏者アイク・ケベックによるアルバムです。
ギタートリオにテナーサックスという非常に渋い編成。
実はギターとテナーサックスは出せる音域が似てるので、
気をつけないと、ちょくちょく音がぶつかってしまって、
濁ったり、ハウリングの原因にもなります。
その点アイクとケニー・バレルはうまく分け合って、
良いアンサンブルを作り上げています。

なかでもケニー・バレル作曲の「Loie」は、
リズムもギターもサックスも曲調も激渋です。
アイクの音は黒人なのにゴツゴツせず、やわらかいのが特徴。
メロディーの作り方もすごくキャッチーで、
胸の奥の方をそっとつかまれるような感じがします。
リストの「愛の夢」もやっていて、
渋さマックスですね。
あまりにも渋すぎて、いったいこんなの誰が聴くんだろうって、
僕です。
わかってもらえないんだな~。
かっこいいのにな~。
おなかすいたな~。


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2007年9月 4日 (火)

フェンダーローズ

「Rendez-vous」 Jorge Dalto

家の近所にずいぶんとなれなれしい猫がいます。
僕が目の前で立ち止まると、すぐに近寄ってきて、
自分のお尻をすりすりとこすりつけてくるんです。
無視して行ってしまわない限り、ずっとそれを続けるんですが、
いったいどういうつもりなのかさっぱりわかりません。
誰かおしえてください。

アルゼンチン出身のピアニスト、ホルヘ・ダルト。
この人は、ジョージ・ベンソンの黄金期のアルバム
「ブリージン」に参加してから広く知られるようになりました。
父親がバンドネオン奏者で、もともとラテン畑のピアニストですが、
フェンダーローズを弾かせると、ものすごくキャッチーな抜群のアドリブをします。
僕はローズピアノの音が大好きなので、最高に気持ちいいです。
「ブリージン」以降、「イン・フライト」「ロスの週末」でも彼のローズを聴けます。

ホルヘのリーダー作であるこのアルバムには、
ジョージ・ベンソン、スティーブ・ガット、デヴィッド・サンボーンなど、
そうそうたるメンバーが名を連ねています。
大御所たちがこぞって彼の宝石のような才能に飛びついたのです。
全体的にアコースティックなラテンピアノが多目ですが、
おもいっきりモントゥーノを弾くのではなく、あくまで爽やかなフュージョン色をつらぬいています。
なかでも「Like a Whisper」は最高。
フェンダーローズを使った天才的なソロを聴くことができます。


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2007年8月21日 (火)

砂時計

エル・オンブレ(限定盤) - パット・マルティーノ 「El Hombre」 Pat Martino

3分間の砂時計をひっくり返して、
すべての砂が落ちるまでに、ギターを弾き続けたら、
最高でいくつの音を出すことができるでしょう。


答えは簡単。
指が壊れるまでは無限に弾き続けることができます。
全部の砂が落ちる前にまたひっくり返してしまえばいいんです。

若い頃のマルティーノはウェス・モンゴメリーそっくりです。
ただ、明らかにウェスより技術が上だし、
リズムも、ウェスのようなハネた頭ノリではなく、
わりとイーブンに近い裏拍ノリです。
このアルバムはオルガントリオを基本としているので、
10代の頃からオルガンとプレイすることが多かった彼は、
実にすばらしい演奏を披露しています。
とくに最後の「Just Friends」では、
神が降りたとしか思えないような、高揚感に満ちたグルーヴを聴かせてくれます。
もしかしたらラリってたのかも・・・・。

「神がかり」「飛び抜けた」「魔力的な」
マルティーノの音楽には、どこかそういう印象があります。
わけのわからない難解な曲をたくさん作ってるし。
本人は本人で、
「わかってたまるか」って思いながら作っているのかもしれませんね。


僕は、古い音楽が好きです。
現在の音楽も、もちろん好きです。
未来に出会うであろう音楽も、きっと好きになるでしょう。
砂時計は、とまることなく流れつづけるのです。


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2007年8月13日 (月)

シナノンの空に

サウンド・オブ・シナノン 「Sounds of Synanon」 Joe Pass

ジャズギタリスト、ジョー・パス。
幼少の頃よりクラシックギターを学び、習得。
ジャズに傾倒し、12才ぐらいですでにプロとして演奏していたそうです。
もちろん、才能もあったし努力家でもあったんでしょうが、
なんといっても環境がよかったんでしょう。
パスは1929年生まれですから、その頃、小さい子供にギターを持たせてクラシックを教える親なんて滅多にいません。

しかし、将来を約束されたかに見えたパスの音楽家としての人生に、
自業自得というかたちで、大きな足かせがはめられることになります。
ドラッグです。
ドラッグに溺れたパスは、20代のほとんどを薬物中毒患者専用の療養所で過ごすことになります。
何度も入退院をくりかえし、いくつかの施設を転々としたパスが最後にたどり着いたのが、
サンタモニカにある、シナノン薬禍療養所でした。

シナノンの患者たちを集め、リハビリのためにジャズを演奏しはじめたパス。
それが偶然レコード会社の目に止まり、というか耳に止まり、
この作品を発表するに至りました。
その後のパスの活躍では、ヴァーチュオーゾ#1~#4やオスカー・ピーターソン、エラ・フィッツジェラルド、ペデルセンなどとの共演作に代表されるように、何かにふっきれた人が持つような素晴らしい音を聴かせてくれます。

ほぼ、メンバー全員が薬物中毒患者で構成されていますが、
傷のなめ合いではありません。
音楽をやっていると、音楽で心と体がいっぱいになってしまう人たちによる、
お金では買えない音楽であり、
ウェスト・コースト・ジャズの傑作でもあります。


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2007年8月 8日 (水)

キューバ

「Crisol Habana」 Roy Hargrove

暑い日が続きます。
日差しが強いのは嫌いじゃないので、
湿度さえ低ければいいのに、と思います。

海洋性亜熱帯気候に属する国、キューバ。
その首都ハバナ。
ニューヨークの黒人音楽を牽引する
トランペッター、ロイ・ハーグローブ。
みごとに溶け合っています。

スペインとアフリカの血が生んだキューバ音楽に
ハーグローブがスパイスを加える、というよりは
彼自身がキューバ音楽の中に飛び込んで、
しばらく弱火でぐつぐつ煮込んでたら
いつのまにか引き締まったキューバ音楽が生まれた
という感じ。

全体的に黒く、ネイティブ色が強い作品です。
それなのにメロディーがやたらキャッチーなのがすごいですね。
アルバム全体を通して聴ける、ラッセル・マローンのギターも最高。
音聴いただけで「あんた絶対黒人でしょ」っていうぐらい重いリズムでやってます。
あと、ラッセル・マローンはいつもそうですが、
弦が切れそうになるくらいおもいっきり弾いてるんです。
そのうち弦より先に血管のほうがぶち切れるんじゃないかと心配です。

ハーグローブの音楽はいつもクールで洗練されています。
キューバ音楽をやったところで、
そのセンスが隠れてしまうことはありませんでした。


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2007年8月 6日 (月)

Naughty Little Doggie Iggy Popのジャケット写真









「naughty little doggie」 Iggy Pop

いつのまにか毒を抜かれていないか
時々確認しています。
しかるべき場所に根をおろして
しかるべき養分を吸いとり
しかるべき時に花を咲かせることに
ひたすらQ&Aです。
小さい頃に手にしていた新鮮な気持ちのいろいろを
大人になっても大切にしましょう。

高校生の時は
ジャズとイギー・ポップに夢中でした。
とにかくかっこよくて危険な感じの
毒を持ってるような音楽が好きでした。
体に悪いものほど食べるとおいしい、みたいな。

どうせ男なら、
すこしぐらいとがっていたいものです。
わるあがきを続けましょう。


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2007年7月30日 (月)

ハワイと海とYシャツと私。

テンダー・リーフ/Tender Leaf 「Tender Leaf」 Tender Leaf

ハワイに行きたいな~。
そろそろ行っちゃっていいでしょうか。
もどってきませんけど。
なんつって。
ハワイアンAORバンド、「テンダーリーフ」。
AORっていうのは、
「アダルト・オリエンテッド・ロック」の略で、
要は、「落ち着いた大人の、さわやかなロック」
っていうことだと思います。
ただ実際聴いてみると、AORというよりはフリーソウルやギターポップに近い感じです。
巷にはいろんな言葉があって実にめんどくさいですね。
ジャンルなんてなんだっていいのに。

早い話が、
青い空と青い海があって、
太陽とビールと女の子がいて、
「あ~、もう他には何もいらない」
って時に背後から流れてくるようなハッピーな音楽が、
これです。
テンダーリーフというバンドは、
実はプロのミュージシャン達ではなく、
メンバー全員がバスの運転手で、
趣味でバンドをやってたところ、
記念にCDでも作ろうかって話になり、
生まれたのがこのアルバムです。
20年以上も前の作品ですが、
メンバーの一人は今でも、ハワイでバスの運転手を続けているそうです。

この世には、くだらない音楽なんてありません。
くだらない考え方があるだけです。


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2007年7月24日 (火)

クリスタル・サイレンス

クリスタル・サイレンス(限定盤) - チック・コリア&ゲイリー・バートン 「Crystal Silence」 Chick Corea & Gary Burton

やぶからぼうですが、
地球っていうのは丸いので、
空とか海はずっと遠くまでのびていて、
一周してもとの場所にもどってくるんでしょうね。
そしたら雲やなんかも一緒で、
今見ている雲が、
ものすごい遠くにいる人が見ている雲だったり、
今流れてる雲が、
ものすごい遠くからやってきた雲だったりするんでしょうね。

チック・コリアとゲイリー・バートンのデュオ。
まさにクリスタルで、サイレンスなアルバムです。
チックのピアノはもともと超硬質なダイヤモンドみたいな音がするし、
それに加えてバートンのビブラフォン。
こういう音楽こそ是非みなさんに聴いてもらいたいです。
氷のようなクリスタルの美しさを鼓膜で感じることができるはずです。


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2007年7月17日 (火)

こっけい

Solo Monk 「Solo Monk」 Thelonious Monk

モンクのピアノスタイルとして、まずあげられるのが、
ホールトーン音階です。
ホールトーンとは、その名のとおり
穴があいたような形をした音階で、
ピアノの鍵盤を一つおきに並べただけなので
非常に簡単に弾けます。
通常、キーというものは全部で12個ありますが、
ホールトーンには二つしかキーがありません。

ド  レ  ミ  ファ♯  ソ♯  ラ♯

ド♯  レ♯  ファ  ソ  ラ  シ

この二種類です。
モンクはこの音階を好んで使っていました。
調性が曖昧になり、トリッキーに聴こえるので、
ホールトーンは不可思議なモンクのピアノスタイルの要因の一つになりました。

モンクは我々に多くの名曲を残してくれました。
'Round Midnight  (ラウンド・ミッドナイト)
Pannonica  (パノニカ)
Off Minor  (オフ・マイナー)
Monk's Dream  (モンクズ・ドリーム)
Straight No Chaser  (ストレート・ノー・チェイサー)
Bye-ya  (バイヤ)
Ruby, My Dear  (ルビー・マイ・ディア)
Blue Monk  (ブルー・モンク)
Epistrophy  (エピストロフィー)
Ask Me Now  (アスク・ミー・ナウ)

などなど、彼の作った曲は全部好きです。

このアルバムはモンクのソロピアノ作。
ストライド奏法を基本とした、あったかい音作りが特徴です。
彼は今でもよく奇人変人扱いされているようですが、
僕は、とてもまともな人だと思います。
世の中で一番怖いのは、強い者でも弱い者でもありません。
強い者に流されて、いろいろな出来事を見て見ぬふりし、
「まぁ、いいや」で片付けてしまう「うつろな人たち」です。

モンクのピアノを聴くと、切なくてこっけいで、
胸の中を指でつねられたように感じます。
僕はこっけいな音楽が大好きです。
まるでその人の人生を早送りで見ているみたいだからです。


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2007年7月10日 (火)

再生

Whatever and Ever Amen / Ben Folds Five    「Whatever and ever amen」 Ben Folds Five

あ~あ、またやっちゃったよ。
最近だるいな~。
なんかつまんないな。

人間だから転ぶ時もあるでしょ。
そういう時にはベン・フォールズ・ファイブでも聴きましょう。
大事なのは、転んだ時の起き上がり方。
何回でも死んで、何回でも生き返ってやりましょう。

たしか、昔兄からこのCDをもらったんだと思います。
これを聴くと、いつでも17才ぐらいの気持ちに戻れるような気がします。
だからいつまでも成長しないんですね。

ベン・フォールズを聴かずに大人にはなれません。
 

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2007年7月 3日 (火)

ハーシュの天国的表現方法

 「Plays Rodgers & Hammerstein」  Fred Hersch

4、5才ぐらいの幼稚園生だったころ、
遠足で菜の花畑に行きました。
そのとき撮った集合写真が、
どういうわけか地元の新聞に掲載され、
おばあちゃんがそれを、笑うと余計しわくちゃな顔で眺めていたことを、
ついさっき思い出しました。

大きくなってからはまだ行ったことありませんが、
このアルバムのジャケットを見ていると、
やはり行ってみたくなります。
ピアニスト、フレッド・ハーシュのソロピアノ作です。
トゥーツ・シールマンスのバックで弾いていたりして、非常に実力のあるピアニストですが、
実は彼はゲイであり、HIV感染者であることを公表しています。
簡単に想像するだけでも、とてつもないストレスや不安を毎日抱えているはずです。
それなのに彼のピアノには、苦悩や苦痛といったものを感じさせる箇所が1ミリもないんですね。
すごく明るく、天国的な音が聴こえます。
僕が思うに、ハーシュがそのような音を持っているわけは、
より深い闇を知っている分、より透明な光を知っていて、
その中でも光度の強い情景をピックアップして表現しているんだと思います。
やろうと思えば彼はどうしようもなく暗い演奏だってできるはずです。
要は、何を求めているか。
自分の心と体に何があって何が足りないのか、だと思います。



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2007年6月29日 (金)

マイルスは生きている。

Bongos, Bleeps & Basslines zero dBのジャケット写真  

   











「Bongos, Bleeps & Basslines」 zero dB


二人のイギリス人によるクラブ ジャズ ユニット、ゼロ・デシベル。
普段クラブ系なんてあまり聴かないですけど、
変化し続けるのがジャズであり、芸術なら、
もう、とっくにこういうところまでは来ています。
あとはそれを受け入れるか受け入れないか。
かっこいいと思うか思わないか。
と言っても、これはクラブミュージックですから、
現代のストレートアヘッドジャズとクラブジャズとの距離が、今後どのくらい、そしてどのように縮まるのか楽しみです。

街を歩きまわっていると気づくんですが、クラブ系の音楽の中にはかなりシャープで緊張感に満ちたものがあったりします。
よく、ショットバーなんかでスピーカーが壊れるんじゃないかってぐらいガンガンにかけてるやつの中にも多く、
それは個人としてのマイルス・デイビスが作り出す緊張感にすごく似てるような気がするんです。
特に、ゼロ・デシベルによるこのアルバムの中の、
「Anything's Possible」は異様な緊張感とキャッチーなリズムが混在した、素晴らしいグルーヴです。

カット・アップという手法が絵画の世界で使われ、
少し遅れて文学で使われ、音楽でも当たり前に使われるようになりました。
これは既存のフレーズをバラバラに切り取って、およそランダムにつなぎ合わせて新しい作品を作り上げる、というものです。
僕はどんどん新しい物やアイディアが生まれ、いろんな物事が変化し続ければいいと思っています。
変化したものがかっこいいかどうか、役に立つかどうか、正しいか間違ってるかは、
時間とか世間が勝手に決めてくれます。



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2007年6月26日 (火)

ヴァイブレーション

「LIVE」  Billy Wooten

一ヶ月くらい前に友達と飲みに行ったとき、
ちょっと飲みすぎたせいか突然しゃっくりが出始め、
それもまるでお手本のようなしゃっくりで、
あんまりきれいに出るもんだからしばらく二人で笑ってたんですが、
30分ぐらいたっても一向に止まる気配がなく、
それどころかしだいに勢いを増していってるので、
さすがに不安になってきて水飲んだり息止めたり、
でも全然効果なく、
「わっ!」とか言われても全然ビックリしないし。
とうとうみかねた友達がケータイで「しゃっくりの止め方」を検索したところ、
聞いたことも無い「舌をつまむ」という項目があったので、
さっそく試してみたところ、
一瞬で止まりました。
おそらくはしゃっくりが止まった瞬間の僕の表情がよほどのアホづらだったため、
友達はその後もしばらく笑ってましたが。

ビブラフォン(ヴァイブ)奏者のジャズ・ファンク。
っていうか超ファンキーなライブアルバムです。
スライ・ストーンもそうだけど、
これはもう、ジャズでもブルースでもソウルでもファンクでもなく、
「ロックンロールなんだ」と言わんばかりの熱を帯びた夜。
すべての楽器がもれなく歌ってる、自らの欲望に正直なメロディ。
その誠実さに心奪われます。
ヴァイブってほんとにロマンチックないい音します。
流れ星みたい。

今後は横隔膜が勝手にヴァイブレーションしたりしないよう、慎んで参りたいと思います。


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2007年6月18日 (月)

有刺鉄線

 「Simplicitas」 Edward Simon

おそらくみんなが持ってると思います。
誰にも入ってきてほしくない領域。
その部分を少しずつ侵食されて大人になっていく人もいれば、
そこに有刺鉄線を張りめぐらせて自分を守る人もいます。
どちらがより優れているというわけではなく、
どちらもただひたすらに弱くさみしいのだと思います。

またまたクリス・クロスから。
(このレーベルは退屈でぬるいジャズはやらないから好きなんです。)
ピアニスト、エドワード・サイモンのアルバム。
シャープでシンプルなのにやたら分厚い音楽です。
そういう風に素晴らしくサウンドする要因のひとつは、
イスラエル出身のベーシスト、アヴィシャイ・コーエンの参加です。
実は、僕はアヴィシャイ・コーエンが好きで、ライブビデオも持っています。
立体的なサウンドを強烈に打ち出すことができる数少ないベーシストの一人。

エドワード・サイモンはいろんな作品に参加していますが、
アダム・ロジャースのバンドでプレイしているのをよく聴いていたので、だいぶスタイルが違ってびっくりしました。
このアルバムは、彼のやりたいことをやりたいように形にしたものだと思います。
有刺鉄線に囲まれた大切な領域を、
少しのぞいてみましょう。


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2007年6月12日 (火)

ハモンドB3銀河系オルガンの人

「Trio」 Sam Yahel


クリス・クロスからの一枚。
オルガン奏者であるサム・ヤエルのトリオ作です。
普通、オルガントリオというとオルガン、ギター、ドラムの三人です。
たいていオルガンがベースラインも弾くので、ベーシストが必要ないんですね。
そして、オルガンとエレクトリックギターの音色の相性がめちゃくちゃいい。
同じ電気楽器だからでしょうか。

メンバーは、ピーター・バーンスタインとブライアン・ブレイド。
ブレイドはやっぱりかっこいいですね~。
パーカッションみたいなドラム。
サム・ヤエルはわりと若手のプレイヤーですが、まるで時間を操るようにオルガンを弾くので、まんまと彼の手口にひっかかってしまいます。
僕の好きな「Nightingale Sang In Berkeley Square」という曲が入っていたので買ってみたんですが、結構ヤエルのオリジナル曲がかっこいいんです。

僕はハモンドB3の音が大好きで、ジミー・スミスも聴きまくりましたが、弾く人によって音色もリズムも全然違いますね。
サム・ヤエルも一発でサム・ヤエルとわかる音とリズムを持ってます。



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2007年6月 3日 (日)

鉄分

「Roberta Flack & Danny Hathaway」


プルーンジュース飲んでます、最近。
なんだか頭がふらふらする時があるので、ひょっとしたら鉄分が足りないのかと思って。
僕にはたまに自分の目が他の誰かの目みたいに思える時があって、自分の耳が他の誰かの耳みたいに思える時があります。
生き物の体はなぜ対になってるんでしょう。
目、耳、手、足、脳、鼻の穴。
いくつかの部分を除いてほとんどが二つあります。
性別も二つですね。雄と雌。
一つでも三つでもなく、二つです。

でもどこか不安定です。
限りなく一つに近い二つ。
一つになりたい二つ。
これは、そんな二つの声が理想的な形で一つになったアルバムです。




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2007年5月29日 (火)

爬虫類の背中

イントロデューシング - ブラッド・メルドー 「introducing Brad Mehldau」  Brad Mehldau

もう十年以上前ですか。
メルドーの初リーダー作。
全ピアニストの中で一番好きです(たぶん)。
彼の音楽は、爬虫類の背中のような冷やりとした肌ざわりを持っているのが特徴です。
僕には時折そういった冷たさを強く求めることがあります。
熱帯夜に布団のまだ冷たい部分を足で探すように、メルドーの氷のようなピアノを求めます。

彼のジャズは、間違いなくそれまでのジャズを凌駕するものでした。
チャーリー・パーカー、ビル・エヴァンスなどがそうであったように、革新者の音はいつの時代でも誰が聴いてもわかるんですね。
メルドーの場合それは「バロック音楽」であったり、「トライアドの使い方」であったり、「左右の手で別々のソロをとるパフォーマンス」であったり、「リズムの多様性」であったりします。

音楽には色があり、ブラッド・メルドーやアダム・ロジャースなんかは黒や青などの寒色系だと思います。
ただ音楽を聴くだけであったかいと感じたり、冷たいと感じるのはなんとも不思議なもんですね。
今年の夏はメルドーを聴いてトカゲのように体温調節しようと思います。

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2007年5月21日 (月)

消えていく音

Things Paolo Fresu / Uri Caineのジャケット写真  

 

 

「Things」 Paolo Fresu / Uri Caine


おととい父親から電話があり、家を多少リフォームしたとの事。
「きれいになったから一度見に来なさい。」
というところで電話口は母親にかわり、
「あんたの部屋はお父さんの事務所になりました。」
などと言う。
「へぇー、そうなんだー。」
と返しつつも軽くショック。
机にはったビックリマンシールとかベッドの下に隠した○○本とか。
思い出いっぱいなので。

音楽と会話は似てますね。
トランペッター、パオロ・フレズとピアニスト、ユリ・ケインのデュオです。
僕はいろんな編成の中でも、デュオが一番好きです。
お互いの言いたいことが容易に言い合えるからです。
5人も6人もいると、全体の調和が重視され、それぞれの主張がコンパクトにまとまりすぎちゃって、いかにも「いい仕事しましたよ」感まるだしのグループがちらほら見受けられます。
普段、友達と会話をかわすときに台本などがないのと同じように、本当は音楽にも事前の打ち合わせなどない方が自然なんですね。
ラーシュ・ヤンソンのビッグバンドでパオロのトランペットを聴いて大好きになったので、このアルバムを聴いてみたんですが、激ウマピアニストのユリ・ケインもかなりのってるのでオススメです。


僕は「消えていく音」が好きです。
「消えていく音」はたとえ録音されても「消えていく音」のままなんです。




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2007年5月12日 (土)

海岸線を旅する。

     
「Friendly Travellers」  Wolfgang Muthpiel & Brian Blade

プール行ってきました。
屋内にある温水プール。
そこには、25メートルプールの周りにドーナツ型の流れるプールがあるんです。
僕が行ったときは昼過ぎぐらいだったので、子供やお年寄りがたくさん流れてました。
でもやっぱり気持ちいいですね、泳ぐのは。
クロールと平泳ぎを交互に、ひたすら25メートルをいったりきたりしてました。
ただ、その日は要注意人物がいまして。
化粧をしたまま入ってくるおばさんです。
ちゃんと注意書きに書いてあるのに。
奴が泳いでるときにプールサイドからドロップキックしてやろうかとも考えましたが、注意書きに「飛び込み禁止」と書いてあったので思いとどまりました。

いつも僕の好きな音(海岸線のような音)を出してくれるギタリスト、ムースピールと現代最高の天才ドラマー、ブライアン・ブレイドによるデュオ作です。
鋭角なのにあったかい。
最高の音楽です。
友達といろんな海を旅したくなります。
気に入ったビーチがあったら寝転んでビール飲んだり。
最高ですね。
海サイコー!

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2007年4月30日 (月)

空間による芸術

  「Joko」 Sylvain Luc

メロディには必ず空間があります。
音が休んでいる時間のことですね。
なぜそんな時間が存在するのか。
理由は大きく分けて二つあると思います。
まず一つは「ブレス」です。
歌や管楽器は呼吸を使って音を出すので、息継ぎをしないと死んでしまいますね。
ギターやピアノなんかは呼吸を必要としないので、まったく隙間なくメロディを埋め尽くすことは可能です。
しかし、そのような音楽は結果的に説得力のない無機質なものになってしまいます。
なぜなら、人間はブレス(呼吸)のない音楽から本能的に「死」を感じるからです。
人は「死」ではなく、「生」を感じさせるものを好むようにできてるんですね。

二つ目は「想像性」です。
隙間のないメロディには想像力の入り込む余地がありません。
いろんなタイミングで間をとることで、人にメロディの続きを想像させます。
パット・マルティーノなんかは、まるで空間を埋め尽くすように弾きまくることから「空間恐怖症」などと言われていたりしますが、彼には彼なりの間の取り方や呼吸法があります。
そして、やはり完結したものに人は「死」を感じ、未完成のもの(一部が欠けたもの)から「生」を感じとるんですね。
よって「生きる」ということは「未完」が連続している状態だと思います。
だからこそ人は想像力によって感動することができるんですね。

シルヴァン・リュックは、そういった芸術性を理解し表現することのできる数少ない音楽家です。
きっと彼は人一倍生きる喜びと苦しみを知っているんでしょう。
もちろんそれは僕の想像ですが。

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2007年4月17日 (火)

永遠。

 「Native Dancer」 Wayne Shorter

「髪結いの亭主」というフランス映画があります。
幼い頃から理髪店の女と結婚することを夢みている男の話です。
めでたく、男は美しい理髪師を嫁さんにもらうわけですが、もう何もいうことないくらいの幸せの絶頂で、女が自殺するんです。
え、なぜこんなタイミングで??? って思うぐらい突然。
この映画には、「理髪師と結婚する男」の話の裏側に、「永遠を信じられない女」の話があるような気がします。
今ある幸福が永遠には続かない。
それなら幸せな今を永遠にしようという考え方ですね。

ショ-タ-、ハンコック、ナシメントによるこのアルバムも、ジャズとブラジル音楽が融合した奇跡を永遠に真空パックしたものです。


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2007年4月 8日 (日)

ピーナッツ

 「All Blues」 Ray Bryant

はたしてジャズバーと呼べるかどうかわかりませんが、家から歩いて5分ぐらいのところにそのような店がありまして。
というのも、すごく狭いんです。
つつましい一家なら、なんとか暮らしていけるぐらいの。
うなぎの寝床のような細長い店内。
その奥には、誰にも弾かれなくなった気の毒なピアノが埃をかぶってます。
いつもスクリーンにジャズのライブ映像が映し出されているので、一人で来た人や、話題がなくなったカップルなんかは、ぼーっとそれを眺めてたりします。

大学生の頃、はじめてその店に行ったときに、スクリーンではレイ・ブライアントがブルースを弾いていました。
すぐにその音楽に夢中になりました。
ブルースってかっこいいなって。
それ以来たまに通うようになりました。
マスターがおつまみにピーナッツをくれるので、僕はそれをかじりながらずっとジャズを聴いてました。
そして眠くなったら帰ると。

ブルースにはブルーノートという音がよく使われます。
これはスケール上の短3度、減5度、短7度の音です。
これらの音を使えば、誰でも手軽にブルース感が出せるということはよく知られていますが、なぜブルーノートが使えるのかはあまり知られていないと思います。
「ブルースはフィーリングだよ」とか、「黒人の音楽だからね~」とか言って妥協する人がいます。
それはある意味では正しいですが、ブルースが黒人だけのものだというのは、もう大昔の話だと思います。
今は、黒人も白人もアジア人も、皆が同じスタートラインに立てる時代です。
もちろん、一部の大金持ちや幼い頃から社会主義の英才教育を受けた人なんかは別ですが。

実は、「リディアンクロマチックコンセプト」という概念で、ブルーノートの理論的な裏付けができます。
これは最も一般的な、
ド  レ  ミ  ファ  ソ  ラ  シ  
ではなく、
ド  レ  ミ  ファ♯ ソ  ラ  シ  
を基本の音階とする考え方です。
なぜファ♯なのかというと、Cのメジャーコードにはファよりファ♯の方がマッチするからです。
なぜマッチするかというと、ドの倍音列を並べてみるとわかります。
倍音列とは5度進行で並べた音群です。
ド  ソ  レ  ラ  ミ  シ  ファ♯
7つ並べた段階でファ♯が現れます。
入れ替えると
ド  レ  ミ  ファ♯  ソ  ラ  シ
Cのリディアンスケールになり、ブルーノートの一つである減5度の音が使えることがわかります。
長くなるので省きますが、他の二つのブルーノートに関してもリディアンスケールから派生する別のスケールによって説明できます。

理論とはあくまで道具であり、それ自体が音楽にはなり得ません。
世の中にある曲のなかで、8割りぐらいは「ラブ・ソング」だと思います。
好きな人に「愛してる」と表現するのが音楽だと思います。
そして、より多彩な表現をするためのアイディアの一つに理論があるだけです。
ピーナッツをかじるように、音楽を食べることができればいいなと思います。


                                                
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2007年3月29日 (木)

四季と立方体

 「intuit」 Kurt Rosenwinkel

最近あったかくて過ごしやすいですね。
木の葉が風に揺れて笑ってるように見えるのが、とても気持ちいいです。
カート・ローゼンウィンケルは1970年生まれのギタリストですが、ジャズの世界ではまだ若手です。
わりと先鋭的なアルバムを発表してますが、このアルバム実は超バップなんです。
ほぼ全曲スタンダード、もしくはパーカーの曲ですから。

僕はスタンダードが好きです。
「酒バラ」「枯葉」「アナザー・ユー」「マイワン」「ホギー・デイ」etc...........
学生のときにがんばって200曲ぐらい憶えましたが、今はきっと半分以上忘れてるんだろうなー、と思うと少しさみしくなります。
スタンダードには、実に美しい曲がたくさんあります。
このアルバムに入ってる「when sunny gets blue」もほんとにきれいな曲です。
是非聴いてみてください。

ただ、スタンダード曲というのはあまりにも多くの人々によって演奏され尽くしているので、教科書どおりにやっても聴いてる方はつまんないと思います。
だからこそミュージシャン達は新しいアイディアや方法論を必死で探したりします。
でも、一生懸命に頑張っている時ほど何も出てこないものです。
力を抜いて遠くから傍観してると、ふとおもしろい考えがよぎったりします。
正面から見ると一つの面しか見えないのに、斜め上から見下ろすと三つの面を見ることができる立方体に似ています。

日本には四季がありますから、木々はいろんな姿を我々に見せてくれます。
ただ、そこには「高さ」「幅」「奥行き」に、さらに「時間」という要素が加わるので、立方体と同じようにはいきません。
この国には、身近に四次元が与える神秘的な美しさがたくさんあると思います。
僕は五月ぐらいの緑色の木が一番好きです。
「when sunny gets blue」を聴くと、それが目の前に浮かんできます。

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2007年3月23日 (金)

無抵抗

 「Still Warm」 John Scofield

何を隠そう、僕はジョンスコが大好きです。
ジョンスコをおかずにご飯三杯いけます。
「好きなだけジョンスコあげるからおじさんと×××しない?」
などと言われたら、断る自信がありません。
精神的な抵抗力を失ってしまいます。

比較的、ストレートなジャズアルバムとジャムバンドアルバムとで、きっちり分ける人ですが、このアルバムにはどちらの要素も入っていると思います。
つまり、ループするジャズ。
ダンス・ミュージックであり続けるということだと思います。
特に1、4、5曲目がおすすめですが、全曲かっこよすぎます。
それに、彼ほど先鋭的で未来的な音楽家はいないと思います。
いったい何年先まで読んでるの?っていう。
ビル・エヴァンスが、バップ全盛期の時代にフュージョンの到来を予想してたとかいいますが、そんなもんじゃない気がします。
ジョンスコのフレーズ、リズム、ハーモニー、タイム、音楽は誰のものよりも新しいです。

彼の音楽の前で、僕は無抵抗です。
ただ、「無抵抗」という言葉が、僕は好きです。


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2007年3月21日 (水)

猫ちゃん的な。

 「free soul drive with maze」 Maze

先日、朝起きるとベランダに猫がいました。
ムフフ。。。さわっちゃおうかな、と窓を開けたら逃げられました。
朝から出鼻をくじかれますね。
じゃあ何で来たんだよ、的な。

いつも我々と一定の距離をたもってますよね、猫って。
そこがまた、かわいいな~
飼いたいな~
飼えないな~、的な。
天気のいい日に、道端で転がってるやつとか見つけると、もうヤバイですね。
誰も見てないな。
もって帰っちゃおうかな、的な。

このCDいいですよ~
晴れた日にぴったりです、
的な。

                                              セキ

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2007年3月14日 (水)

ハンコックの左手

ハービー・ハンコック 「Maiden Voyage」 Herbie Hancock

ハンコックピアノの素晴らしさは、バッキングにあると思います。
マイルスバンドのピアニストが、ガーランド→エヴァンス→ハンコックと移り変わるとともに、ピアノという楽器が、管楽器を伴奏するもの→バンドに刺激を与えるものに変わって行きました。
寄り添うのではなく、刺激し続けるわけです。
そうすることで、安定感のあるサウンドが、よりスリリングなサウンドに変わり、リスナーに「これからどうなるんだろう」感を与えます。
ドキドキがいっぱいですね。

僕はこの「処女航海」のアルバムの中の最後の曲「ドルフィン・ダンス」が大好きで、何回聴いても胸キュンです。
曲自体、涙涙の名曲ですが、ハンコックの左手がイルカの尾びれのように美しい水しぶきをたてます。
そしてリズムも刺激的です。
ピアノソロの後半に「3連4つどり」というリズムを使ってます。
これは、3連符を4つ一組でグループ分けするアイディアです。
通常4拍子上の一小節で
   タタタ タタタ タタタ タタタ
となるところを
   タタタタ タタタタ タタタタ
と演奏します。
3×4にするか4×3にするかの違いですが、後者には事実上4拍子と3拍子が同時に存在することになるので、トリッキーに聴こえます。
ただ、一小節の時間的な長さは変わらないので、訓練次第で4拍子と3拍子の間を自由に行き来することができるようになります。
他にも、「一拍半」「二拍半」「三拍半」「3連5つどり」「3連7つどり」などなど。
組み合わせ次第で無限にポリリズムを作り出すことができます。

音楽は時間の芸術ですから、実音だけではなく「リズム」「タイミング」「間」「沈黙」も是非、聴いてみましょう。
ハンコックの左手(バッキング)には、音楽の楽しさ、哀しさ、厳しさ、幸福感、ジャズの歴史と可能性、すべてが刻まれているような気がします。
三日三晩煮込んだ、お母さんのカレーのようです。
おなかすいた~。



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2007年3月10日 (土)

スタバ

image 「beneath the surface」 incognito

よく、スターバックスがある街は都会だとか言われますが、僕の故郷は田舎なのに最近出現してました。
ただ、何もないような所にポツンとアレがあるので、余計さみしさを浮き彫りにしているようで涙を誘います。
無理すんなと。
おまけに、ヘルメットをかぶって自転車に乗ってる中学生(へル中)が「スタバいこーぜー」とか言ってたりします。
家帰って宿題やんなさい。
僕らが中学生の頃のたまり場といえば、「スーパーかすみ」か「珍来らーめん」です。
いつの間にそんなオシャマな街になってしまったのか。。。

というわけで、そんなスタバ的な「インコグニート」のアルバムです。
やはりベースがかなり特徴的ですね。
気持ちいいです。
そして、リーダーであるブルーイのカッティングギターが都会の街を疾走してます。
これも気持ちいい。
メイザ・リークの歌も最高です。
是非、踊っちゃってください。

                                            セキ

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2007年3月 6日 (火)

ローラーコースター

「Amplified Heart」 Everything But the Girl

実は絶叫マシンが大の苦手で。
あの硬いシートに座っただけで気絶しそうになります。
怖いもの見たさで何度か挑戦してきましたが、もう毎回、内臓がとびだしちゃうんじゃないかって。
じゃあ観覧車なら平気かっていったらそうでもなく。
上の方にいくにつれて、なんだか足が震えだすんです。
高所恐怖症ですね。
例の馬に乗ってるだけでも目が回るし。
お化け屋敷ぐらいですね、無事に出られるのは。
僕は遊園地の浮かれた雰囲気を堪能するだけで満足です。
滅多に行かないですが。

このアルバムには「ローラーコースター」っていう曲が入ってますが、こっちの方はすごく気持ちいいです。
シンプルな曲構成。
遠くを見ているようなボーカル。
交差せずに寄り添うギター。
世にあるかっこいい音楽、感動する音楽に共通するものは「一貫性」だと思います。
一貫したコンセプトなり秩序なりを持っているということですね。
それがないと「で、結局何が言いたいの?」的な印象をリスナーに与えてしまう場合があります。
ジョン・マクラフリンみたいに(失礼)。
ただ、彼はギターがものすごく上手くて何でもすぐに弾けてしまうので、好奇心の強さもあって、様々な音楽に挑戦せずにはいられなかったんでしょう。
器用貧乏ってやつです。
うらやましいですね。

「ローラーコースター」は主にⅡm9とⅥm9の2つのコードを繰り返しているだけのシンプルな曲です。
(ときどき飾りのようにⅢ7が入りますが)
でも全然飽きないし、むしろもっと聴いていたくなるような曲です。
やはり一貫してやりたいこと、言いたいことがはっきりしてるからだと思います。
器用貧乏になりやすいジャズメン達が陥りがちな問題です。
マイルス・デイヴィスを除いて。

全体的にアコースティックでフォーキーなサウンドが素敵ですね。
目の下にほんの少し涙を溜めて笑ってるような音楽です。

                                          
                                             セキ

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2007年3月 2日 (金)

海洋生物

 「Live In Paris」 Enrico Pieranunzi

春の兆しが見え隠れしてきましたね。
僕は泳ぐのが好きなので、そろそろ海かプールに行きたいです。
もしも生き物が陸に上がることなく、ずっと海の中だけで生活していたとしたら、人間は今頃どんな姿になっていたんだろう。。。
夜に室内プールで2時間ぐらい泳ぎ続けているとふと、そんなことを考えたりします。
夜のプールの底のほうって結構気持ちいいんです。
人も少ないし、適度に暗いし、ほんとに静かで、考え事をするにはもってこいです。

イタリア人ピアニスト、エンリコ・ピエラヌンツィのトリオです。
よく、「ジャズは難解だ」とか「なにやら難しい音を使っている」とかいう言葉を耳にしますが、そんなことはないです。
ポップスにだってR&Bにだって、難しい音使いの曲はたくさんあります。
ジャズが難解だと感じるのは、リズムが複雑に変化するからだと思います。
なぜリズムが変化するかというと、即興を主体とした音楽だからです。
即興を用いている音楽は他にもたくさんありますが、それ自体がテーマになっているのはジャズぐらいだと思います。
誰かが出した音やリズムに誰かが反応し、合わせたり裏切ったり。
つまり、リズムで遊ぶわけです。
「かけひき」と言ってもいいかもしれません。
熟練したプレイヤーほど、リズムのかけひきが上手かったり、いろんな遊びを知っていたりします。
エンリコもベテランですから、やっぱり遊びが上手いです。
しかも、めちゃくちゃかっこいいリズムがいっぱい出てきます。
このアルバムはスタンダード曲も多く、案外聴きやすいですが、一曲目のオリジナル「Overthree」が最高にいいです。
出だしのピアノのワンフレーズがギターの音に聴こえるし、トップノート(和音の一番高い音)を固定したままハーモニーを動かすギター的な奏法を使っています。
エンリコはこの曲でかなりギターを意識したプレイをしてると思います。
あらゆる栄養を吸収して、自由に泳ぎまわる、素晴らしいピアニストです。

人間が海の中で暮らしていたら、やはり音楽は生まれていたでしょうか。


                                              セキ

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2007年2月22日 (木)

豆乳

    「EXIT」 Pat Martino
最近、豆乳にはまってます。
よくある紙パックのやつ。
どうも僕は動物性より植物性のものの方が体に合ってるみたいです。
焼肉とか大好きなんですけどね。
あんまり肉系食べ過ぎると、次の日とか体調いまいちで。
というわけで豆乳です。
パット・マルティーノは、12歳頃にはすでに圧倒的なテクニックを身につけていたそうです。
若い頃のマルティーノはかなりウェスに似てますが、彼よりさらに半端じゃないテクニックで弾きまくってます。
しかし突然、脳動脈瘤による記憶喪失で、リタイアを余儀なくされます。
長い闘病生活&リハビリの末、マルティーノはもう一度ギターを弾くことを決心しました。
なぜなら、家族を養うためにはギターを弾くしかなかったからです。
しかし、記憶喪失によりギターの弾き方を忘れてしまっていたので、彼は昔の自分のレコードを聴いて、フレーズをコピーし、再び練習を始めたそうです。
この「EXIT」は復活後のアルバムです。
若い頃とくらべて、だいぶモーダルになってますね。
マルティーノは、「マイナーコンバージョン」という理論を提唱しています。
これは、どんなコードもすべてマイナーコードに置き換えてアドリブできる、という考え方です。
つまり、Am7=CM7、D7、Em7、F♯m7♭5、G♯7
というのが彼の方法論です。
右側の5つのコードに対して、Aのドリアンスケールがあてはまるわけですね。
G♯7に関しては、オルタードです。
Aのメロディックマイナーをドリアン解釈で弾きます。
どれも違和感なくサウンドするので問題ないでしょう。
しかし、マルティーノの場合は空間を埋め尽くすほど弾きまくるからハマるのであって、普通の人がマイナーコンバージョンで弾いたら、コード感が足りずに薄い音楽になってしまうことが多いでしょう。
パット・マルティーノは本当に素晴らしいプレイヤーです。
ギターで初めてコルトレーンの域に達した人と言ってもいいでしょう。
豆乳飲みながらどうぞ。
                                         
                                          セキ

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メロウ。。。

 「TOKYO SNIPER」 流線形

なんか女の子がユニフォームみたいの着てますけど、この前の東京マラソンとは関係ないですから。
こういう都会的でゆらゆらしたポップスって大好きなんです。
オリジナル・ラブとか古内東子とかオレンジ・ペコーとか。
こういうのってたぶん日本人では山下達郎あたりからきてるんだと思います。


8.スプリング・レイン 9.雨のシンデレラ あたりは胸がキュっとなって気持ちいいです。
僕は、 4.恋のラストナンバーが一番好きですね。
やはり全体的に基本となっているのはゆったりとした16系のリズムです。
マーヴィン・ゲイがやってたようなグルーヴは、今日のポップスにしっかり影響を与えてると思いますね。

べつに僕は雨男でもなんでもないですが、雨が似合う音楽が好きです。
このアルバムも、雨に濡れた東京の街を連想させます。
ネオンの灯かりが雨ではじけたように見えるのはほんとにきれいですね。
「メロウ」って感じです。
ボーカルは謎の美大生「江口ニカ」さんです。
小鳥のようなかわいらしい声で洗練された大人のポップスを歌うので、女性の方も結構気に入るんじゃないかと思います。

そんな「メロウ」な流線形、聴いてみてください。

                 
                                            セキ 

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2007年2月17日 (土)

落し物


Bill Evans    Jim Hall     「Intermodulation」

僕の友人で、警察署内の落し物係りという部署に勤務しているやつがおりまして。
財布やら定期入れやら、毎日いろんな落し物がそこに届けられるわけですね。
で、その彼に「今まで届けられた落し物の中で一番びっくりしたものは?」
と聞いてみたところ、「一千万円」だそうです。
しかも、お金はバッグに入ってましたが、すべて硬貨だったそうです。
他にも、「くつ」とか「犬」とか「なんかヤバそうなもの」とか、
街にはいろんなものが落ちてるようですね。

ビル・エヴァンスとジム・ホールのデュオは、雨がよく似合います。
3年間ぐらい毎日のように聴いたアルバムです。
不思議と全然飽きないんです。
エヴァンスとホールが終始プライベートな会話を楽しんでいるようで、胸の中にそっと入ってきます。
特にジム・ホールのバッキングは2Beetを軸にしていて、ハーモニーも美しく、聴いていると気持ちよくて眠くなっちゃいます。
眠くなる音楽って素晴らしいですね。

人は生きてるうちにたくさんの落し物をしますね。
このアルバムを聴くと、そう感じます。
音楽というものも、実は誰かの落し物なのかもしれませんね。

 

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2007年2月13日 (火)

生きたリズム

 「Catch!」 Jesse Van Ruller

オランダ出身の若手ギタリスト、ジェシ・ヴァン・ルーラーです。
たくさん作品出してますが、僕はこのアルバムが好きですね。
ジェシのギターは完璧です。すばらしい。
まず、リズムの理解力にものすごく長けてます。
ジェシは車のギアを変えるみたいに、8分、3連、16分、6連などと自由に軽々とシフトチェンジします。
イルカが海の中を泳いでいるようでもありますね。
次に、ギターの音色がいい。
彼が主に使っているギターは、自分の師匠から譲り受けた「レヴィン」というフルアコです。
このギター自体すばらしい音がしますが、さらにジェシは1弦だけ太い弦を張ってます。
おそらく13の弦です。パット・メセニーが11ですからかなり太いですね。
ちなみにパット・マルティーノは15の弦を張ってるらしいです。
普通そんなの張ったらネックが曲がります。
そしてジェシはピッキングを逆アングルにすることによって音量を大きくしてます。

一曲目の「The Secret Champ」はm6のコードを中心としたジェシのオリジナルです。
めちゃくちゃかっこいいです。
マイナー循環みたいなコード進行なので、ほとんど一発ものと解釈して演奏できます。
ジェシはこの曲でタッチワウというエフェクターを使ってると思います。
よくある足で踏むやつじゃなく、ピッキングの強弱によってワウのかかり具合が変わるやつですね。
僕も欲しいです。

ジャズの4Beetで用いられ、一般的にSwingとか言われてるリズムは、ゆっくりだと跳ねてるように聴こえて、速度が速くなるとイーブンに近くなります。
わりと速めの曲で、ジェシがイーブンで速弾きしてるのを2分の1の速度で再生したところ、跳ねたリズムに変わりました。
Swingというリズムを言葉で説明するなら、3連符の3つ目の音符を飲み込む感じです。
ただ、その場の状況や時代、そして人によっても跳ね方は違うのでなんとも言えないですね。
昔の人ほど跳ね方が強い感じがします。
最近の、特にキース・ジャレット以降のヨーロッパ系なんかはかなりイーブンに近いです。
ジェシもこのEven Eighth Feelのリズムを軸にしてると思います。
また、バラードのように極端にゆっくりな曲だと、大きな流れでリズムをつかむので、またノリ方は変わってきます。

まさにSwingとは、コンピュータでは表現しきれない生きたリズムなんですね。

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2007年2月12日 (月)

トマトジュース

トニーニョ・オルタ 「Toninho Horta」 Toninho Horta

最近、トマトジュースにはまってます。カゴメのやつ。
お風呂上りとか運動したあとに一気に飲むとうまいです。
先日、急に野菜が食べたくなって、レタスとかブロッコリーをうさぎみたいにムシャムシャ食べてました。
きっと体が欲してるんですね。

トニーニョ・オルタは、ブラジル人シンガーソングライター兼ギタリストです。
このアルバムは超名盤で有名なので知ってる人もいると思います。
トニーニョの出身地ミナス・ジェライス州には、昔から美しいメロディがたくさん存在すると言われています。
ミルトン・ナシメントなんかもそうですが、ミナス出身のミュージシャンの曲には、涙が出るほど美しいメロディをもつものが多いように感じます。
DNAなのか、育った環境なのか、地域に伝わる民謡のせいなのか、理由はわかりませんが。

一曲目の「Aqui Oh!」は、思わず体がうごきだすサンバです。
最後らへんで、「ミナス・ジェライス」って叫んでます。
二曲目以降はバラードとブラジリアン・フュージョンっぽい曲がちりばめられています。
内容的にメセニー・グループに似てるため、パクリなんじゃないかって言う人もいましたが、実は逆です。パット・メセニーがトニーニョに影響されてます。
二人は友達で、このトニーニョのアルバムにもメセニーが参加してます。
おそらくこの時期に交流を深め、メセニーはトニーニョのスタイルを体得したと思われます。ほんとに吸収力抜群な人ですね。

空気のように軽く、太陽のように熱く、海のように神秘的なブラジル音楽。
パット・メセニーも欲しがったトニーニョ・オルタの音楽。
大自然に育まれたトマトジュースを飲みながらどうぞ。

  

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2007年2月 9日 (金)

青い炎

Rogers, Adam - Apparitions CD 「APPARITIONS」 Adam Rogers

リーダーとしては3枚目のアルバムですが、なにげにノラ・ジョーンズやリズ・ライトなどのボーカリストのバックでも弾いてます。
クラシックにも精通した凄腕ギタリストですが、僕は彼の作る音世界が好きですね。
めちゃくちゃクールな音色で、斬新で美しい方法論を持っていて、それなのに燃えている。
まさに、青く光る冷たい炎です。

一曲目の「LABYRINTH」からぶっ飛びます。
どうもここ最近のジャズは、7拍子とか13拍子とかリズムで遊んだり、新しい方法論を競い合ったりしている傾向があります。それだけいろいろなアイデアが出尽くされ、いきずまっているんだと思います。
ミュージシャン同士が互いに刺激し合い、切磋琢磨して新しい音楽が生まれることは素敵なことだと思います。

今ニューヨークにはこのアダム・ロジャースみたいなことをやってるバンドがウヨウヨいるそうです。やはり、かっこよくて誰にも似てないことをやればみんなが飛びつきます。
彼は間違いなく最先端です。とてもスペイシーで未来的なのに、ある種の情緒があります。
まるで感情がないかのようにイーブンで弾きまくるあたりはシビれます。
これほど知的で無感情な音楽家がかつていただろうかってぐらいです。
なのにしっかり燃えてます。すばらしい。
アダムの迷宮に迷い込んで、このまま眠りたいです。

おやすみなさい。

 

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2007年2月 6日 (火)

男は男らしく

ザッツ・ホワット・アイ・セイ「THAT'S WHAT I SAY」 John Scofield

ギタリスト、ジョン・スコフィールドによるレイチャールズのトリビュートアルバムです。
経験上、本当にうまいプレイヤーはブルース等の単純な曲をやらせるとめちゃくちゃうまいです。
中途半端なプレイヤーは、かっこつけて複雑で難解な曲をやろうとしますが、結局うまく弾けずに見失ってメチャクチャになる場合があります。そのうえ、「これはフリージャズなんだ。」とかなんとかいって言い訳ばかりうまくなります。
特にジャズの世界には前者も後者も多く存在するように感じます。

言うまでもなく、ジョンスコは本当にうまいプレイヤーです。
あの帝王マイルスのバンドでデビューしてから、今ではストレートなジャズとジャムバンドを
両天秤にかける始末。
どちらのジョンスコもハンパなくかっこいいです。
で、ジョンスコはなんでこんなにかっこいいんだろうと思って研究したところ、以下のことに気づきました。
   1.自分にしかないタイムを持っている。
   2.フレージングがコルトレーン。
   3.歌いまくっている(もちろん心の中で)。
   4.ライブの時の汗の量が尋常じゃない。
   5.あくまでしらを切る(一度ついた嘘はつき通したほうが男らしさ度アップ)
5は、項目が4つだとなんだかきりがわるいなと思ってむりやり書きました。

このアルバムは、今は亡きレイ・チャールズへのオマージュみたいな感じですが、僕にはレイの曲を使ってジョンスコがブルースを弾きまくっているようにしか聴こえません。
ただ彼はレイ・チャールズもブルースも大好きでしょうから、全曲ノリノリです。
また、アレンジもリズムのセンスも抜群です。オルガンのラリー・ゴールディングスもかなりブルージーでいい感じです。
やっぱりギターとオルガンってメチャクチャ相性いいですね。
 とにかく男らしくてかっこいいアルバムです。腹筋しながら聴いてください。

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2007年2月 4日 (日)

胸キュンギター

B000002ki701_ss500_sclzzzzzzz__1__1 George Benson 「Weekend In L.A.」。

やっぱりジョージ・ベンソンは弾きまくってますね。
もともとはスタンダードなジャズギタリストだったのが、年齢とともにポップでキャッチーな感じになっていく人です。
実はウェス・モンゴメリーの一番弟子ですが、兄弟弟子のパット・マルティーノとは正反対の路線を歩んでますね。
とにかく、若い男女からおじさんおばさんまで「胸キュン」にさせるのが最高!
で、なんでベンソンはこんなに「胸キュン」なんだろう?と思って研究したところ、
   1.ピッキングが逆アングル(音量が大きく、音色がやわらかくなる。)
   2.ブルースの表現が多彩(「彼は自分のブルースをやっている。」 by.B.B.キング)
   3.歌もうまい。
   4.些細な事を気にしない。
   5.顔を整形している(疑惑)。
以上の結論に到達しました。胸キュンギターを弾きたい人は是非お試し下さい。
  そんなジョージ・ベンソンのこのアルバム「ロスの週末」は、まさに日曜の午後のまったりとした日差しの中でお昼寝、もしくはお散歩な感じです。
一曲目から胸キュン指数120%です。とばしてます。まぁ、機会があったら聴いてみて下さい。秋トレの一階にレコードありますからよかったらどうぞ。

                                           1F   セキ

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